レース質
トラックバイアス:フラット
ラップ:12.5 – 11.1 – 11.8 – 12.3 – 12.2 – 12.6 – 12.6 – 12.4 – 12.1 – 11.3 – 11.7 – 11.9
1着ユーバーレーベン 12-13-10-8
2着アカイトリノムスメ 5-7-10-10
3着ハギノピリナ 17-17-15-12
4着タガノパッション 16-16-17-16
5着アールドヴィーヴル 13-13-13-12
6着ミヤビハイディ 18-17-17-16
上記を見ても分かる通り上位に入着した馬は全て後方からの差し馬。
人気薄であったハギノピリナやタガノパッション、ミヤビハイディ等が後方から大外を回って伸びてきた事を考えると完全な追い込み決着になったと見ていいでしょう。
その理由を紐解いていきます。
まずはオークスのラップを再度掲示。
12.5 – 11.1 – 11.8 – 12.3 – 12.2 – 12.6 – 12.6 – 12.4 – 12.1 – 11.3 – 11.7 – 11.9
L4〜の区間だけ見ると12.1 – 11.3 – 11.7 – 11.9と一見ギアチェンジが求められた瞬発力勝負のようにも見えます。
ただこのラップのポイントとしてはL3が最速を迎えその後減速ラップを迎えていること。
基本的に瞬発力勝負というのは、L2で最速ラップを踏むことが多く仮にL3部分で最速ラップを踏んだとしてもL3-L2区間では殆どラップの推移がないことが多いです。
これは直線まで各馬余力が残っている為、L1までトップスピードで走れるから。
しかしオークスではL3で最速を迎えその後も11.7-11.9と減速ラップを踏んでいます。
これはつまり、スパート自体が速く坂を迎えるまでにトップスピードに入るタフな展開になったという事です。
パトロールを見れば分かるのですがL5部分でユーバーレーベンがかなりのロス覚悟で捲って行ってるのが分かります。
そしてそのタイミングでスライリーも積極的にポジションを上げていき、そのままの勢いで4角に突入するという横綱競馬。
この形で後方勢が来られると逃げ・先行馬はその流れに付き合う他なく、脚を溜めきれずにトップスピードに入らざる終えません。
結果逃げ・先行馬は全滅で差し・追い込み決着になったという事です。
元々が2400mという3歳牝馬にとっては過酷な条件であった事も考えると展開までタフに寄られると適性・バイアス面の比重はもちろん大きくなりますね。
各馬の見解
ユーバーレーベン
個人的にオークスは瞬発力が求められるレース質を想定していた為、その点でキレ負けする印象が強く高い評価まではできなかった。
札幌2歳Sの負けて強しの内容を考えるとスタミナ戦はドンと来いのタイプなので、展開は完全に味方しており外からも追い込める馬場状態もマッチしての1着。
とはいえ2着馬に1馬身つけている内容は能力的に十分評価出来るもので今後も長距離戦では期待が持てる。
因みに、後方から捲り気味に進出する際スライリーが合わせてきた事で一度内に入れられるポイントがありそこで無駄なロス+脚を使うことがなかったのはラッキーだったと思われ、スライリーと一緒に捲りきって行ったら結果は変わっていたように思えます。
アカイトリノムスメ
一言にルメール騎手の好騎乗。
内に入れていたとは言え後方勢が動き出した3、4角で一緒に動きたくなるのが心情。
ましてや2番人気というプレッシャーを背負いながら。
しかしそこでも内で我慢し切って直線も冷静に進路をとってくるあたり流石のセンス。
こういう部分なんですよねルメールって。
ただ馬自身ももちろん好評価で、前走桜花賞組の7頭の内掲示板に入ってきたのはアールドヴィーヴルとこの馬のみ。
今年の桜花賞は超高速馬場で行われた事もあり高いスピード能力とその持続性が求められたレースであった事を考えるとレース質は真逆と捉えても良く、そのどちらでも好走してきたのは能力面の裏付けでもあります。
秋華賞でもそれなりの評価は出来るでしょう。
ハギノピリナ
ユーバーレーベンが捲ってきた流れに合わせて更に後方から上がってきたのがこの馬。
正直、その点で展開が向いたとも思えますがそれにしてもロスが大きい競馬。
個人的には直線までアールドヴィーヴルの後ろで我慢し切れていたのであれば「勝てていたのでは?」とさえ思える内容。
秋華賞でもタフな展開になるようであれば面白そう。
アールドヴィーヴル
桜花賞に次いで自信の本命にしたのがこの馬。
今回は差しに徹し展開も向いての5着なので個人的には悔いのない競馬をしてくれたと思えます。
ただ新馬戦の衝撃を考えればこんなもんではないはず。
とりあえず無事にオークスまでを走り切れたことに安堵し秋以降この馬の走りに注目しましょう。
ぶっつけで秋華賞でもOK!